
トーハツ2馬力船外機MFS2が2020年1月にMFS2BからMFS2Cにモデルチェンジされました。
モデルチェンジといっても、クラス最大の排気量、操作性や静粛性などの特長はそのままで、欠点だった持ち運び部分等の改善がされました。
主な変更点は、以下の3点となります。
2馬力船外機の中で最も重たいトーハツ(18.4kg)を"軽く感じさせる"キャリングハンドルが左右に装備されました。
さらにハンドルはグリップしやすい形状になっているため、ボートへの搭載や取り外しがかなり楽になりました。
今まではグリップが片方しかなく、その形状も手に食い込んで痛かったんですよね。この改善は嬉しい!






これまで1方向だった保管向きがMFS2Cは3方向可能となり、状況に合わせた保管が可能になりました。
ただし、車走行時に急な下り勾配を走行した際、オイルが逆流する懸念もあるため、枕木等を当ててなるべく頭を高くする事を推奨します。

新型エンジンカバーは、シンプルかつスタイリッシュなデザインにアップデートされました。
これは余談ですが、旧型と新型ではエンジンカバーの形状が異なりますが、取り付け箇所の形状は同じなので、旧型に新型のエンジンカバーが取り付けできます。
旧型エンジンカバーが破損したり汚れが目立つような場合、見た目だけ新型にリフレッシュするのもアリかも!?


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- エアベントスクリュを反時計回りに2回転緩め、タンク内圧力を抜きます。(※1)
- フューエルタンクキャップも反時計回りに緩め、キャップを取り外します。(※2)
- 給油口から燃料を入れて下さい。
- 給油完了後、フューエルタンクキャップを確実に締めて下さい。
- エンジンを停止した状態にして下さい。
- 通気のよい場所で作業を行って下さい。
- 燃料タンクを一杯にし過ぎずないようにして下さい。
- エアベントスクリュを緩めている時は、燃料がにじみ出たり、燃料の揮発蒸気が漏れることがありますので、火気を近づけないで下さい。
(※1)![]() |
(※2)![]() |
●新しい船外機にはエンジンオイルは入っていません。船外機を使用する前にエンジンオイルを給油して下さい。
●API分類のSF、SG、SH、SJ、SL級のSAE 10W-30/40 のものを使用して下さい。
●推奨エンジンオイル:トーハツ4ストローク純正エンジンオイル
API分類:SG
SAE 規格:10W-30
- トップカウルを取り外し、オイル注入口キャップを取り外す。(※1)
- オイルゲージのFULLまでエンジンオイルを注入します。(※2)
- 船外機を直立の状態にする。
- 必ず点検窓を確認しながら、入れすぎに注意して注入して下さい。
(※1)![]() |
(※2)![]() |
取付位置が決まったら、クランプスクリュハンドルをしっかりと締付て下さい。
万が一に備え、船体と船外機をロープで結ぶことをおすすめします。(ロープは別途ご用意下さい。)
取付高さは、アンチキャビテーションプレートの位置と船底との間隔が、30~50mmになるように取付て下さい。
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- 水冷式の為、冷却水無しの運転は絶対に行わないで下さい。エンジンが損傷します。
- ギヤが入った状態でエンジンを始動すると、不意にボートが動き、同乗者の船外への落下や転覆を招く恐れがあります。
- 閉め切った場所や換気をしない状態でエンジンを運転しないで下さい。
![]() 1.エアベントスクリュを反時計回りに2回転緩めます。 |
![]() 2.フューエルコックを開けます。 |
![]() 3.ストップスイッチロックを装着し、ストップスイッチコードの端を、操船者の衣類又は腕に付けて下さい。 |
![]() 4.シフトレバーの中立(N)を確認します。 |
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5.スロットルグリップを最低速位「START」に合わせます。 |
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6.チョークノブを手前に一杯まで引きます。 |
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7.スターターハンドルを、ひっかりの感じるところまでゆっくり引き、重たくなったところから一気に力強く引いて下さい。 |
![]() 8.エンジン始動したら、検水口から冷却水が排出されていることを必ず確認して下さい。 |
- 外気温が5℃以上・・・エンジン始動後低速回転にて約3分程度
- 外気温が5℃以下・・・エンジン始動後に約2,000rpmにて約5分程度
※シフト操作は、必ずスロットルグリップを全閉に戻してから操作して下さい。
●前進 ![]() |
●加速 ![]() |
●後進
前進と同じように、エンジンの回転を最低回転に落としてから、シフトレバーを中立(N)にしハンドルを立て、船外機を180°回してから、シフトレバーを前進側に素早く倒します。
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●停止 ![]() |
2.シフトレバーを中立(N)に戻します。 ![]() |
3.ストップスイッチを押して、エンジンを停止させます。
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4.エンジン停止後、エアベントスクリュを締め、燃料コックを閉じて下さい。
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経過時間 | 0~10分 | 10分~2時間 | 2~3時間 | 3~10時間 | 10時間以上 |
スロットルポジション | アイドリング | 開度1/2以下 | 開度3/4以下 | 開度3/4 | 通常運転 |
エンジン回転 | 最低速で走行 | 約3,000回転/分 | 約4,000回転/分 10分毎1分程度全開運転可 |
約4,000回転/分 10分毎2分程度全開運転可 |
ここでは、冷却経路のフラッシング方法をご紹介いたします。
方法は2通りありますが、どちらの方法でも問題ありません。
- フラッシングアタッチメントを使用します。
- フラッシングアタッチメントは、オプションとなりますので、別途ご用意する必要があります。
- フラッシングアタッチメント 336-60007-0
- フラッシングアタッチメントを使用する際は、必ずエンジンを停止した状態で行って下さい。
- エンジンの誤始動を防ぐ為ストップスイッチロックは外して下さい。
- エンジンはチルトダウンして下さい。
- 船外機のウォータープラグを取り外し、フラッシュアタッチメントを取付けます。
- ホースをフラッシングアタッチメントに差し込み、水道から水を流します。
- 検水口から水を確認し、3~5分程水を流します。
- 水洗いが完了したらフラッシングアタッチメントを取り外し、ウォータープラグを取付けます。
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≪注意≫
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●船外機スタンドをお持ちであれば、スタンドに乗せ立てた状態で運搬して下さい。

●やむを得ず横向きで運搬する場合は、必ず燃料を抜き、冷却水経路も完全に水を排出して下さい。
※横向きの場合は、船外機の下にクッションなどを敷いて、傷が付かないようにして下さい。
※横向きの方向は、画像のような方向となります。(MFS2Cのみが可能です。MFS2AとMFS2Bはティラーハンドル側を上にする1方向のみとなります。)



今回は、その点検項目を紹介します。
区分 | 点検部品 | 点検時間 | 点検事項 ※備考 |
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初回20時間 又は1ヶ月 |
50時間 又は3ヶ月 |
100時間 又は6ヶ月 |
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燃料系統 | キャブレタ | ○ | 分解掃除及び調整 | ||
パイピング | ○ | ○ | ○ | パイプの損傷 パイプ接続部の洩れ |
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フューエルタンク | ○ | ○ | ○ | 掃除 | |
フューエルタンクキャップ | ○ | ○ | ○ | 掃除 | |
点火系統 | スパークプラグ | ○ | ○ | 火花間隙、カーボン掃除 | |
始動系統 | スターターロープ | ○ | ○ | ○ | 摩耗 |
エンジン | エンジンオイル | ○交換 | ○交換 | オイル交換又は補充、汚れと浸水のチェック | |
パルプクリアランス | ○ | ○ | 点検、調整 | ||
ロワ系統 | プロペラ | ○ | ○ | ○ | 羽根の曲がり、損傷、摩耗 |
シャーピン・割りピン | ○ | ○ | ○ | 曲がり、損傷 | |
ギヤオイル | ○交換 | ○ | ○交換 | オイル交換又は補充、浸水のチェック | |
アノード | ○ | ○ | 腐蝕、摩耗 | ||
ウォーターポンプ | ○ | ○ | 摩耗、破損 1年に1度はインペラ交換 |
||
ボルト、ナット | ○ | ○ | ○ | 増締め | |
摺動部、回転部 | ○ | ○ | ○ | グリス塗布 | |
操作系統 | スロットルケーブル | ○ | 外被の傷の有無 |
トップカウルとスパークプラグキャップを取り外します。 付属工具のソケットレンチとハンドルを使用して、左回しに軽くショックを与えて、スパークプラグを取り外します。 電極付近が汚れているもの、カーボンが堆積しているものは洗浄し、必要に応じて交換して下さい。 また、火花間隔が摩耗しているものは調整もしくは交換して下さい。 適正火花間隔(0.8~0.9mm ※1) |
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船外機を直立の状態にし、エンジンを十分に冷やします。 オイルゲージにて確認しながらオイルゲージの中間付近までエンジンオイルを注入します。 ※オイルドレンボルトワッシャは新品に交換して下さい。 |
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プロペラが摩耗したり、曲がっていたり、欠けているか点検して下さい。 状態が著しく悪いものは、交換して下さい。 また、シャーピン、割りピンも曲がりや損傷がないか点検して下さい。 ※古い割りピンを使用するとプロペラが外れる恐れがありますので、再利用せず新品を取付て下さい。 |
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エンジンオイル同様、船外機を直立の状態して下さい。 オイルドレンプラグを下→上取り外し完全に排油します。 ギヤオイルは下の穴から注油します。 上の穴からオイルがあふれてきたら、上のプラグを締め、下のプラグを締め付けます。 ※ガスケットは新しい物を使用して下さい。 ※オイルが白濁していた場合は、直ちに販売店に相談して下さい。 |
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アノードが新品の状態から2/3以下に消耗したら交換して下さい。 |
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下図の箇所に耐水グリスを塗布、又はグリスニップルより注入します。

特にシフトレバーは定期的にグリスを注入しなければ、使用後1年くらいで固着してきます。
定期的に下記のような方法でグリスの注入を行って下さい。

機関名称 | MFS2C |
トランサム高(mm) | S:427 / L:554 |
重量(kg) | S:18.4 / L:19.4 |
エンジン形式 | 4ストローク単気筒 |
総排気量(cc) | 86 |
ボア×ストローク(mm) | 55×36 |
全開使用回転範囲(rpm) | 4,500-5,500 |
最大出力Kw(PS) | 1.47(2) |
潤滑方式 | 飛沫式 |
冷却方式 | 水冷 |
始動方式 | リコイルスタータ |
点火方式 | CDI |
スパークプラグ | NGK DCPR6E |
ギア比 | 13:28 |
ガソリン | 無鉛レギュラーガソリン |
ガソリンタンク容量(L) | 1.0 |
エンジンオイル | API分類 SF,SG,SH,SJ,SL級 SAE 10W-30/40 |
エンジンオイル容量(ml) | 300 |
ギアオイル | 純正ギアオイルもしくはGL5,SAE #80~#90 |
ギアオイル容量(ml) | 180 |
万が一、不具合を感じたり故障の場合は、万全を期するために必ずお買い上げの販売店に相談して下さい。
- 燃料が空である(エンジンが始動しない場合のみ)
- 燃料が古かったり異物が混入していたりと悪いガソリンの使用
- フューエルパイプがねじれている
- エアベントスクリューの開け忘れ
- スパークプラグの汚損
- ストップスイッチロックプレートの入れ忘れ、又は挿入不完全(エンジンが始動しない場合のみ)
(※ただし、基本的には購入した販売店に修理を依頼した方がなにかとお客様にとってもメリットが大きいと思います。)
- 他店で購入したお客様につきましては、保証修理は原則としてお受けできません。
- 船外機を弊社まで送ってもらうこともありますので、必ず梱包箱を保管して下さい。
- 船外機本体は当店に持ち込んで頂くか、宅配便等で発送して頂きます。往復の送料はお客様負担となります。
- 検査、見積もりのみの場合でも有償となる場合がございます。
純正部品お問合せの際はモデル・製造年月日・馬力・製造番号の確認を事前にしておくことをお薦めします。

2馬力船外機の比較・選び方をまとめたサイトもご用意しておりますので、よろしければ一度ご覧下さい。