2024年09月13日更新
プロペラを選ぶ5つのポイント
ダイヤとピッチ |
ダイヤとは、 プロペラの回転直径をインチで表したもの ピッチとは、 プロペラ1回転で進むことのできる理論的距離をインチで表したもの を言います。 例えば、プロペラの表示で13/17というのがあったら、13がダイヤ、17がピッチです。 2つの数字があったら、必ず前(左にある数字)がダイヤ、後ろがピッチというのが決まりです。 この2つの用語が全ての基本。 これを知らないとプロペラの注文はもちろん、マッチングの相談もままなりません。 |
1.材質を選ぶ |
「ヤマハ純正部品検索」で70BETOに適合するプロペラを検索すると20種類ものプロペラがヒットします。大きく分けて3つあります。ステンレスとアルミ、それからハイパフォーマンスという特殊な形状のプロペラの3つがあります。 たくさんあって、迷ってしまいそうですが、予算や指定の材質が決まっていれば、半分にまで絞り込むことができます。 ステンレスには硬い、腐蝕に強いなどのメリットがありますが、一方で価格が高い、重いなどの欠点もあります。このところを良く検討して選ばなくてはいけません。 ハイパフォーマンスペラもステンレスペラの一種ですが、このペラを付ければ速くなるというものではなく、プロのメカニックと相談しながらセッティングを煮詰めていかなければなりません。走り屋系のバスボートなどで使うことがあります。 |
2.ピッチを選ぶ |
プロペラ選び=ピッチ選びと言っても良いくらい、ピッチ選びは重要です。 ピッチは大きければその分1回転に進む距離が増すことになり、スピードが増しそうな感じがします。事実そういうところもありますが、限界を超えて大きなピッチのものをを選んでしまうと、今度はそのエンジンで回しきることができなくなってしまいます。傾斜のきつい坂道を自転車で上るときにペダルが踏めなくなるのと一緒です。 |
3.ダイヤを選ぶことはできません。 | ||||||||||||||||
それぞれにダイヤが違う数字になっているのでダイヤも選べるのかと錯覚してしまいそうですが、ダイヤをお好みで選ぶことはできません。 プロペラの径は大きいほど推進効率が良くなりますが、馬力やギヤケースの大きさ、減速比などを考慮すると、大きなものを選ぶにも限度があります。ダイヤが8種類とも違うのは、それぞれのピッチに対して最も合理的な寸法に設定されているからです。 純正であろうと、社外であろうと、1つのピッチに対して複数のダイヤのペラが用意されているものはありませんので、ダイヤ選択の自由はないんです。 |
4.ブレードの枚数 |
プロペラの問合せや注文で一番多いのは、4枚ブレードへの変更じゃないでしょうか。 プロペラを変えるというときに、その変化が比較的体感しやすく、ブレード枚数についてはまた別の回でもっと詳しく掘り下げてみようと思いますが、4ブレードペラのメリットを簡単にまとめてみると、以下のようなものがあります。
・3枚ブレードよりも早くプレーニング(滑走)状態に移ります。
・より低速でのプレーニングが可能です。 ・3枚ブレードと同回転数での中域速度が向上します。 ・3枚ブレードよりも一般的に加速が早くなります。 ・急加速時のキャビテーションが起こりにくくなります。 ・低速時のハンドリングが向上します。 ![]() |
5.回転方向 |
![]() 注意が必要なのはスキーボートなどのシャフト船の場合。右回転のエンジンで、ダイレクトにシャフトが伸ばすとプロペラの回転方向は左回転になります。 なので、スキーボートのプロペラは左回転が多いんです。スキーノーティックのように右回転のペラも決して珍しくはありません。 プロペラの回転方向は簡単にわかると思っていても、考え込むと「あれ?」と思ってしまうもの。簡単な見分け方を紹介しておきます。 1.プロペラを床に置きます。裏表は関係ありません。 2.プロペラのブレードを見て、左に下がっていれば左回転、右に下がっていれば右回転。 これだけ覚えておけば、プロペラをクルクル回しながら首をかしげることもなくなるんじゃないでしょうか。 |