2024年07月29日 更新
ボート係船を徹底解説
アンカーの種類
「あなたはどのようにアンカーを選びますか?」 「アンカリングの効きが良くないと思ったことはありませんか?」 ■アンカーの種類と言っても、非常に沢山の形やタイプがあります。
その為、アンカー選びはとても難しいことだと思います。
一概に重ければアンカリングの効果を上げられるという訳ではありません。
使用する愛艇の大きさや、アンカリングさせる場所(底質)、潮の流れや風などの自然条件、アンカー自体の特性も良く理解して使い分けなければなりません。
自身の今までの経験や海域の状態を知っている人からの情報も参考にして選ぶのも良いでしょう。
■ここでは、いくつかの主流アンカーを紹介するとともに、その特性や適した使用環境なども合わせて紹介していきます。 ※表示されている適応サイズは、あくまでも目安です。どのような環境で使用するかということを考えながら選びましょう。
プレジャー艇では最も一般的でアンカリング効果の高いアンカーです。
海底の凹凸や砂地にめり込んでアンカリングする為、砂泥質などの海底に適したアンカーです。
万が一、根掛かりした場合は、クラウン部分の穴を利用して回収用ロープなどを繋げておけば、引き抜くことができることも特徴の1つです。
様々なメーカーでこのダンフォース型アンカーが生産されていますが、シャンクとフルーク(ブレード)の角度に注意して選びましょう。
最適と言われている角度は約30〜40°で、それを越える範囲では、どんなに海底と平行に引いても掛かり難いので注意が必要です。
基本的には万能型のアンカーですが、岩場などでは少し不向きで、荒い岩礁帯や複雑な岩場では走錨してしまい、また、根掛かりして取り外せなくなってしまうこともあります。 ボートユーザーにお勧め!
引っ掛けるというよりは、重さで留めておくタイプで、ダンフォースの様にがっちりとは掛かりませんが、底質を選ぶことなくアンカリングできます。
4本爪ながら折り畳むとコンパクトな棒状になり、プレジャーアンカーの中で最も収納性が高く、持ち運びしやすい形状です。
小さいサイズのフォールディングアンカーは、スペースが狭いゴムボートやローボートに適しています。
昔から、釣り人に愛され、フィッシャーマンズアンカーとも呼ばれています。
底質を選ばないのが特徴ですが、風が強いときは走錨し易いようです。
※アンカー索の長さは通常水深の3倍と言われていますが、フォールディングの場合は約4倍にするとより効果的です。
PVCコーティングを施している為、耐久性が高く、船体などを傷つけ難いアンカーです。
小型、軽量でゴムボートや手漕ぎボート、PWCに適しています。海底に引っ掛けるのではなく、アンカーの重さで留めます。
オールラウンドなタイプですが,傘のようになっているためアンカーを降ろすのに若干時間が掛かり、比較的引き上げも重いようです。
ヨーロッパや日本で多く使用されているタイプで、ダンフォース型よりも把駐力が幾分か高いアンカーです。
砂、砂利、泥底などで強力な杷駐力を発揮し、艇が揺れても、自身で埋まり直してくれるのも特徴です。
また、可動部がないので故障も少なく、丈夫で取り扱いやすく、バウローラーに収まりの良い点もポイントです。
しかしながら、砂鉄雑じりのような硬い底質では、爪が滑るように引かれてしまい、柔らか過ぎる泥底ではずるずると入り込んで走錨してしまうので注意が必要です。
底質を選ばず、適切に掛かれば強力が把駐力を発揮するアンカーです。
ストックの取り外しができるコンパクトタイプは収納が簡単ですが、取り外しができないものは見たとおり嵩張るので保管し難いという難点があります。
砂泥地から岩礁地帯まで多様な底質に効果があり、比較的万能なアンカーです。
岩場や珊瑚礁などにおいて、有効なスタイルです。
根掛かりを起こした場合は、強く引くことで爪が曲がり脱錨できるシステムになっています。
使用環境や底質、目的に応じて爪の角度を自分で工夫して使えるアンカーです。
小型艇で使用中、根掛かりし脱錨をする際には、無理をすると転覆する恐れがありますので十分注意して下さい。
また、船検には適合しませんので、適合するアンカーも必ず用意してください。
シーアンカーは船体を一定に保ち、風に流されるのを防ぐ役割を担います。
広範囲での流し釣りやダイビングなどに適しています。
開口部や排口部などのサイズを調整することで、効き具合を変えられるものもあります。
これによってローリングとピッチングも少なくなり、艇が安定します。
また、安全対策備品としても有効です。 アンカーが投入できない深場において、緊急事態が発生し漂流したときに、艇の安全の確保と、漂流速度を抑えることが出来ます。 引き上げ機能付きや、投入時に開口部のワイヤーが自動的に開くものもあります。 しかし、風が強い場合や潮の流れが非常に速い場合、また波が高く悪天候の場合は効果がありません。 注意:他のアンカーとは違いその場に留まることを目的とするアンカーではありません。
PWCユーザーには最適のアンカーです。
アンカーバッグの中に岩石、砂等を入れて使用するタイプで、行きも帰りも身軽で楽しみたいとういう方には是非お勧めします。
マッシュルームアンカーもサイズとしては小さい方ですが、それでも運搬や保管場所に困るという方にもお勧めです。
アンカーバッグは海底に引っ掛かて使用するものではなく、重さによりアンカリングさせるものなので、なるべく風や潮流のない場所で使用してください。
PWCユーザーにお勧め!
アンカーの適応地質を簡単にまとめてみました。
※あくまでも目安です。風や潮流の自然条件なども考慮してください。
アンカリングに役立つアイテム
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アンカリングによる係留
アンカリングによる係船は「軽風」であることが前提になります。アンカーと海底の地質がぴったり合っていったとしても、強風の場合、走錨やアンカーロープの切断などの可能性が高くなります。なるべく、風、潮流、高波の影響を受け難い場所に移動しアンカリングをしましょう。 また、海域の状況(風、潮流、底質)の程度や潮位の変化にあわせて、係船方法(前方、前後、四方、振り回し)を選びましょう。また、砂、泥、岩礁、海草など海底の地質を予め確認しましょう。遠距離航海や複数の漁場へ移動をする場合は、常に複数(2種類以上)のアンカーを用意しておくことが重要です。 係船前に確認をすること
アンカリングの4方法
例えば・・・
軽度:【海域の状況(風、波、潮)が比較的軽度の場合】
重度:【海域が荒れている場合】
アンカーロープの長さ
■ある程度、穏やかな状態:水深の3倍 ■強風、海域が荒れている場合:水深の5倍以上
※あくまでも目安です。浅い湾や潮流が早い場所では、アンカーロープを長くするなど調整をしてください。また、ロープが短いとアンカーの角度が浅くなってしまいます。短いより多少長めで計算しておいた方が良いでしょう。
例:アンカーロープの長さ=通常の倍数×水深+5メートル
ロープの素材
海水より重い(比重が大きい)ロープを使用することが重要です。海水より軽いとロープが浮いてしまい、アンカーの刃の刺さりが浅くなり、走錨の原因にもなります。また、潮の流れの抵抗を出来るだけ抑えるために、ロープは細くて丈夫な物が良いでしょう。比重が重く擦れに強く伸縮性のある軟らかいナイロン製や、水に濡れても硬くなり難く、沈みも良いスパンエステル製(当店掲載商品)などはアンカー索には非常に有効です。
把駐力を高める「アンカーチェーン」装着の効果
マークブイ、モニター(重量物)の使用
アンカーのクラウンに「マークブイ」を繋げておくことで、根掛かりした際に、そのロープを引き上げることで容易に抜錨ができます。マークブイを設置することにより、近辺を通過する船に「揚錨中」を知らせると共に「注意喚起」にもなります。走錨していないかも確認をしましょう。
また、アンカーロープの中間地点にモニター(重量物)を使用し、アンカーロープが直線にならないようにすることもロープの負荷を軽減するのに役立ちます。 アンカーロープには、釣り針が引っ掛かっていることがあるため、ロープ巻き取り時は指に針を刺さない様に注意してください。 |
桟橋への係留
係船方法やロープワークは、航海をする人にとって大変重要な技術であり、マナーでもあります。時には、その結び方1つで大きなトラブルとなることもあります。使用する場所や環境条件など良く理解し、適切な係船を行えるようにしておきましょう。また、マリーナなど係船設備を共有する場所では、他艇の迷惑にならないように係船をするのがマナーです。 また、潮の満ち引きも係船する際には重要な要素となります。気象条件などを良く把握し、確実な係船を行い、また、ご自身の愛艇や周りの他船を傷つけないように、フェンダーを的確に設置しましょう。 ??係船のギモン??
※詳しいロープワークや応用編などは、ボート雑誌やWEBサイトを利用してみても良いでしょう。 まずは基本の・・・ロープワーク
一見きちんと結ばれているように見えて、実は少しの力で解けてしまうなんてことも結構あるようです。結び方にも個性はあるようですが、基本はしっかりとマスターし、年に数回しか乗らない人も、是非ここでおさらいしておきましょう。
【クリートヒッチ】=クリート結び 係船のリングや、ボラードに船を仮止めする方法。
【ボーラインノット】=舫い結び 係船のリングや、ボラードに船を繋ぐ方法。
【クラブヒッチ】=巻き結び
棒や杭などに船を仮止めする方法。
【ローリングヒッチ】=二重巻き結び
クラブヒッチの巻きを2回行う。初めのロープを折り返すように巻き付け、後半にロープエンド側が下に入るように処理をする。
【フィッシャーマンズベント】=錨結び
アンカーロープをアンカーリングに結ぶ方法であり、細いリングに結ぶことから、リング部への巻き付け回数を2周以上行うことが重要。
【スプリングロープ処置】
潮の干満を十分に考慮して係船ロープの長さを決め、桟橋の斜め方向の係船金具(ボラードなど)にV字状(鋭角)に連結する方法で、潮の干満に対して自然に対応する。 係船方法:例えば・・・
■ 浮き桟橋への係船 (20feat艇の場合)
■ 固定桟橋への係船 (20feat艇の場合) 干潮時は船が岸壁側に近づく為、その場限りの状況で安易に係船をすると、船が沈没してしまう可能性や周りの船に迷惑を掛けてしまう場合もあります。潮の干満などに対応する係船方法をしっかりと理解しておくことが大切です。また、岸壁の角でロープが擦れないように、ウエスやホースなどを巻くなどして、係船ロープの擦れ防止にも気をつけましょう。
フェンダー
プレジャーボートは漁船に比べ舷側の強度が低く舷を傷める可能性がある為、古タイヤや俵フェンダー、固定式フェンダーは避け、圧力に応じ接触面積が増えるエアーフェンダーを使用しましょう。また、ロープは取り付けるレールとの接点を多くすることで、摩擦する面積が増え解け難くなります。とは言っても、無闇に巻きつけるのは良くありませんが・・。
係船に役立つアクセサリーパーツ
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