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2024年9月10日更新

格納点検のすすめ(PWC) [基本編]

冬季格納前点検はショップに行なってもらうのがお薦めです。専門誌やサービスマニュアルを見ても一通りの点検項目は記載されていますが、プロのショップスタッフに任せれば、マニュアルにも載っていないようなことでも経験的に確認が必要だと言うことを知っていますので、より適切なアドバイスを受けることができます。
とはいえ、いつでも気軽に相談のできる頼れるプロショップが身近にあるというのは非常に恵まれたケースかもしれません。機械に触れるのは苦手でも、これだけは最低限しておいた方が良いであろうことを簡単にまとめてみました。お薦め商品などもあわせて紹介していきますので是非お読み下さい。

1.燃料タンクおよび燃料の養生

燃料系統の作業項目の要点はまず、タンク内の養生です。長期間使用しないときにはエンジンの大敵である水分が浸入しないようにタンクから完全に燃料を抜く方法と、逆に満タンにしておく方法の2通りあります。

燃料タンクを空にする方法

(完全に空の状態になるまでタンク内の燃料を抜き取ります。2サイクル混合燃料を使用しているもので、特にレース艇などハイグレードオイルを使用しているものは保管中にオイルが分離してくることがありますので、こちらの方法がお薦めです。

燃料タンクを満タンにする方法

燃料タンクの容量が大きく、完全に抜き取るのが困難な場合には逆にタンク容量一杯にまで燃料を満たして、空気との接触を断つような方法が有効です。
燃料を満タンにしておく場合は、燃料の劣化を防ぐために燃料安定剤を入れ、また日の当たる場所での保管は避けるようにして下さい。

2.バッテリーの養生

バッテリーを取り外します。

  • バッテリーを取り外します。
  • バッテリートレイを水洗い洗浄します。
  • バッテリーの端子をワイヤーブラシで磨き、グリスを塗布します。
  • バッテリーケーブルは外したままの状態で保管して下さい。
  • ※ケーブルを「外す」ときは必ず「マイナス」から!

    ※保管中は1ヶ月に1度、バッテリー充電器で補充電して下さい。

3.オイル交換

■エンジンオイルとフィルターを交換します。(4サイクルモデル)
 手順を見る→Kawasaki YAMAHA SEA-DOO

4.冷却系統の水洗

ソルトアウェイを使えばフラッシングの時間を大幅に短縮できます。

  • ソルトアウェイ専用ミキサーを船外機などのフラッシュキットに取付をします。
  • ミキサーのカップにソルトアウェイ原液を入れます。
  • 水道水を回しながら、エンジンを暖機運転します(30秒〜1分)。その際、ミキサーの切替ノブは「RINSE」位置にしておきますと、水道水だけが流れます。
  • 切替ノブを「SALT AWAY」位置に合わせ、フラッシングを開始します。
    5〜6秒で検水口から泡が出てきます。その後、20秒程度でフラッシングは完了です。

フラッシング関連おすすめ商品

ソルトアウェイ エンジンフラッシングパッケージ

ソルトアウェイ エンジンフラッシングパッケージ

ソルトアウェイの成分は、"SURFACE-ACTIVE AGENT" すなわち、界面活性剤です。 性質的にも働き方も、洗剤とよく似ています。
油汚れが落ちにくいのは、油の分子が食器などの表面と結びつきやすいから。食器洗剤は油の分子を洗剤の分子が取り囲み、分子同士が再び結びつきにくくさせることで、汚れがきれいに落ちるのです。
この、「油」の部分を塩に置き換えたのがソルトアウェイなのです。

詳しくはこちらから

5.防錆剤の塗布・グリスアップ

防錆剤を吹き付ける前にグリスが無いことを確認して下さい。もし塗られているところに掛けてしまった場合は、再度グリスを塗布します。
給油及びグリスアップのポイントは取扱説明書でしっかりと確認しておきましょう。

☆錆に弱いコントロールワイヤー系は特に念入りに!☆

防錆剤の塗布 防錆剤の塗布2
防錆剤の塗布3 防錆剤の塗布4

お薦め防錆剤・グリス


きわどい箇所にはソルトアウェイ(スプレータイプ)がお薦め!

注意

ゴム製部品(冷却、燃料、オイルなどのホース)やエンジンマウントに油脂系の防錆剤を塗布すると劣化することがあります。誤って塗布してしまった場合は拭き取るようにしましょう。

6.船体のクリーニング

厳しい条件の下で使用される船体には専用のクリーナーがお薦めです。ボート専用洗剤やワックス、金属やプラスチックなど部材別のクリーナーまで幅広く揃っていますので御参考下さい。

7.格納

  • PWCの場合はシートあるいはエンジンカバーを取り外すか、隙間を作って軽く浮かせてエンジンルーム内の換気をするように心掛けてください。
  • 長期保管をする際は、雨や埃、直射日光を避けるよう、屋根付きのガレージに格納するのがベストです。
  • 屋外へ保管をしなければならない場合は、ボートカバーをかけておきましょう。

ショップの長期保管前メンテナンスメニューの一例

コンプレッション測定やコンピューター診断など、プロショップにしかできないメンテナンスもたくさんあります。重大な故障に発展する前に異常を発見することもできますし、的確なアドバイスもしてもらえます。お近くに信頼できるショップがあれば、是非一度見てもらっておきましょう。

1. ジェットポンプ

  • ジェットインテーク(吸水口)異物の有無
  • インペラの歪み・傷
  • ポンプオイルの交換 (SEA-DOOのみ)

2. 燃料システム

  • 燃料タンクの養生
  • 燃料フィルタの点検・交換
  • 燃料ホース類の点検

3. エンジンオイル

  • エンジンオイル交換 (4サイクルモデルのみ)
  • オイルフィルター交換 (4サイクルモデルのみ)
  • 分離給油システムの点検・清掃 (2サイクルモデルのみ)

4. パワーユニット

  • スパークプラグの点検・清掃・調整・交換
  • 冷却水路の清掃・水洗
  • マウントラバーの点検
  • コンプレッション測定

5. 電気系統

  • バッテリーの取り外し・充電
  • バッテリーターミナル養生

6. その他

  • 各所クランプの点検・調整・交換
  • ドレンプラグの点検・交換
  • 各所グリスアップ
  • クーラント水の点検・交換(SEA-DOO 4サイクルモデルのみ)
  • コンピューター診断
  • スーパーチャージャーの点検
  • インタークーラーの清掃
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