魚群探知機の仕組み
この魚群探知機は超音波を利用しています。音はボールを壁に当てるのと同じで、物にぶつかると反射して戻ってきます。壁が近ければ帰ってくるまでの時間は短く、遠ければ長くなります。また、壁が硬いものでできていれば、投げたときとそれほど変わらない威力で戻ってきますが、柔らかいものにぶつければ、力が吸収されて、威力は弱まります。
ような超音波の性質を利用して、音波の戻りの時間をグラフ化し、強弱を解析して色分けしたものが右のような魚群探知機の映像です。
周波数=「音の高さ」
「超」音波といっても、ただ人間の耳に聞こえない種類の音だと言うだけのこと。いわゆる「音」だと思っていただけば良いです。
音には高い音と低い音があり、魚群探知機では主に200KHz(高い音)と50KHz(低い音)の2種類があり、音波の高低による性質の違いを利用して解析に役立てています。
50KHz
200KHz
●広い指向角(43度)で広範囲の探知が可能。
●ポイントの場所を正確につかむことが難しい。
●尾引きが長い(2次反射・3次反射が映り易い)ため底質を判別し易い。
●狭い指向角(15度)により正確な地形の把握が可能。
●ポイントの場所を正確につかむことが可能。
●解像度が高く、小魚などの小さな反応も表示できる。
指向角
音波は発射地点から離れるに従って放射状に広がっていきます。この広がり具合を「指向角」と言います。
50KHzの指向角は広く、200KHzは狭いという特徴があります。
指向角が広ければ、広範囲を一度に探ることができますが、細やかな探査にはあまり向いていません。左の図のように10mの水深なら直径11mの円径の範囲内を平均値で映し出すので、その中にある起伏の状態を知ることはできません。きめ細かい解析には200KHzの方が適しています。
測深範囲
200KHzよりも50KHzの方が深いところ まで届きます。深海では50KHzの方が適していますが、浅場で使用しても2次反射や3次反射が出やすいので底質の判別はしやすくなります。
魚探出力
魚探出力は音の大きさを表します。大きな音は確かに遠くまで届きますが、深度を大きく変える程の影響力はありません。出力と周波数の違いによる測深深度の違いのイメージが右図です。

同じ深度で使用すれば、大きな音のまま反射してきますので、より明確に魚群や海底を捉えることができます。前項で述べましたように、深海で使用する場合には、200KHzよりも50KHzのように低い周波数を使用することをお薦めします。



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